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『弥生…弥生や。どこにおる。』 京を歩くとたまに聞こえてくる。 これはいつもの事。聞こえるのは怨霊の声。 『弥生…弥生や。何処じゃ…何処じゃ。』 「ここにいましたか…」 そこに一人の男が現れた。彼は満國。 『何奴か?!』 「知らなくて良いのです。そう知らなくてね。」 彼は笑いながら何かを取り出した。 「さぁ、私の式達。お仕事ですよ。」 『お、陰陽師かぁ!?』 そう、彼は陰陽師。 陰陽を統べるもの。 「さぁ、流季。おやりなさい。」 そういって笑う彼は絶望したかのような目をしていた。
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