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満國は陰陽博士だ。晴明の次に早く昇進。 「…申し訳ありません。遅くなりました。」 ドアをススッと開け、中にいる人にそういった。 「かまわんよ。」 そうにこやかに笑うのは、吉平。 「なんかあったのか?」 と実継。 二人は天文博士と暦博士だ。 二人の後ろには二人の男がいた。 「私用が御座いました。」 実継の言葉にそう答えると、二人は仕方ないと頷いた。 「して、帝の即位じゃが、忌み星もなく落ち着いておるがゆえ、今がよいかと…」 天文博士はそう真剣な眼差しでいった。 「私のところでは27回目の昼に即位式。26回目の昼に祓い式。がよろしいとでた。」 二人の言葉に満國は頷くと、 「ではその様に報告いたしましょう。」 と言った。
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