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「強くない!!私は強くなど無い!!お前は死ぬではないか!!私がどんなに足掻こうとて三年後にはお前はあの餓鬼の前からも私の前からも居なくなるではないか!!!!誰かを斬ればお前は生きられるのか!?ならば私が刀を抜いてやる!!」
野口健司は本庄祿を離すと声を荒げた
「野口殿…これは私が生まれ持つ親から授かったもの、誰かが死んでも何も変わりはしません」
「何も出来ないではないか!!どうしてやる事も変わってやる事も出来ないではないか!!」
野口健司は本庄祿の両肩を力の限りに掴み着物の合わせに額を付ける
温かい雫は本庄祿の着物を濡らし肌を伝う
「長寿は確かに幸せでしょう…ですが短命を誰が不幸と決めたのですか……私はこの命を通して淋しさや悲しさを痛い程に味わいました、でも不幸だと感じた事はありません…長命だろうと短命だろうと私が守る物に何の変わりもありません」
「強いのはお前の方ではないか」
「その私を救ったのは貴方です」
「屁理屈女…だからお前なんて大嫌いなんだ」
「存じております」
本庄祿が満足気に笑ったのが分かったのか野口健司は鼻を鳴らしてもう一度抱き締め直した
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