文久三年【秋之弐】

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    「本庄さん、私の言えた事ではありませんが…人を斬る時、私達には必ず理由があります……本庄さんだってそうでしょ?早阪君が直接本庄さんの話を聞いてくれないなら私から話をさせて下さい、私達は本庄さんよりももっと人を斬っているんです何故私達と話せて本庄さんとは話せないのですか?」 かねてより心中を満たしていた沖田総司には理解し得ない早阪透の態度に苦渋を露にした 「駄目なんです、私が直接話さなければ…透は十年間私を信じて着いてきてくれた…私はそれを裏切ったんです……透が入門する時に厳しく教えた事があります、刀で絶対に人を傷付けてはいけないと、そう教えた私が人を斬ったんです…透を……弟子達を裏切ったんです私」 本庄祿の声は小さく口元を見ていないと喋っているかも分からない 「だって芹沢さんは貴女を殺そうとしていたのでしょう?貴女は此処に戻らなければならなかったのでしょう?ならば、あの人は殺されて当然だ!本庄さんがこんな風に傷付く必要はないんです!!このままでは本庄さんが死んでしまう!!」 沖田総司の言ってる事は事実だったが本庄祿の言ってる事も又事実 しかし、目に見える本庄祿の衰弱に沖田総司はこれ以上黙っている事は出来なかった
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