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「ま、待て!!この国はどうなる…貴様だけじゃないはずだ!!御庭番は…まさか御庭番は………十本刀は皆…」
「口は禍の元、何処で誰が聞いてるか分かったもんじゃない…秘匿に必要とあらば抜くぞ」
十本刀、その言葉に本庄祿は堀川国広の柄を握り殺意をぶつける
耳慣れないその言葉に土方歳三は本庄祿を見つめるが相手の人数を考え馬に乗り立ち去る事を優先させた
男達はそれ以上何を言う事もする事も無くただ本庄祿の後ろ姿を見つめていた
一切速度を緩める事無く走らせ続け深夜、三河の入り口に到着し一軒開いていた古い旅籠に入った
昼間の出来事に誰も触れる事ができずそのまま眠りに就いた
土方歳三は改めて本庄祿と言う存在の強大さを思い知った、土方歳三とて須賀家を全く知らない訳ではない
あれは一介の浪士風情や藩士風情が対等に渡り合える相手じゃない、貴族だ
逆らえば斬り捨て御免も夢じゃない
しかし、土方歳三は越後桑名藩本庄家を知らない徳川宗家御庭番なのだ諸藩士で留まらない事は十分知っている
だが分からない、聞いた事が無い
本庄祿が現れて初めてその存在を知った
本庄家が一体何なのか
全く分からない
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