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丸一日、与えられた部屋から出る事を禁じられ、俺はただ無心に外を眺めていた。
本庄は手合せの時から見ていない。何が起きているかなんて俺の頭で分かるほど小さな事じゃない程度は認識している。
そう、俺の頭で分かるほど小さな世界じゃない場所に本庄がいる。
俺が越後桑名藩本庄家を知らないのは当然だった。
その本庄を新撰組なんて小さな組織に留めていいのだろうか?
あいつはこの先、百五十年の俺達の未来や日本を知っている。
幕府に返すのが道理なのではないのか?
ならば、本庄の意志は?
幕府を快く思わず、京に帰る事を望んだ本庄の意志はどうなる?
一国の為と成るか
一人の為と成るか
きっと本庄はどちらも選ばない…
あいつが来てもうすぐ一年
選んだ道はたった一つだった
俺達が守るのは?
国?
人?
日本は動きだしたんだ、迷ってる暇なんざ無ぇ…
人が在るから国があんだ。
人一人守れねぇで武士語るたぁ世も末だな。
深夜に現れた本庄に俺の意志を揺るがせる物は無くなった。
「夜分失礼します土方さん、少しお話を聞いて頂きたい事が…」
「入れ」
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