元治元年【春之壱】

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    間が悪いのは私か彼か? まさか、彼女? 今となっちゃ誰にでも当てはまるのだろう… 「師匠~?師匠~?」 その声が私の部屋の前まで来てやっと聞こえた時には既に時遅し… 「沖田さぁ………………」 私は本庄さんを跨いだまま自分のやってる事に驚き、本庄さんは刀を向けられ私に飛び付かれ驚き…二人とも全く動けないでいた一瞬の間に障子は開き、声は途切れ… 次の瞬間、私の体は宙に浮いていた。 「え?」 「…馬鹿!」 宙に浮き、物凄い力で外に引かれると、目の前の本庄さんの表情が変わり小さく毒づいた。 ドンッ!! 縁側の淵が視界に入ると私の腕を本庄さんが掴み私の横に掛け降り、思い切り引くと、真後ろに向かう私の勢いは真横に引かれる事により相殺され本庄さんに突っ込んで二人で庭に倒れた。 一連の動作から下敷きになった本庄さんは小さな呻き声を上げて私を退かし起き上がると真っ直ぐに私の部屋の入り口に戻って…… パンッ 「勘違いも程々にしろ馬鹿…お前のやった事はただの暴力だ」 本庄さんの背中はとても恐かった。 本当に怒っている。 叩かれた早阪君は何も言わず足早に姿を消してしまった。 私の所為で… 「ほ、本庄さん!!」 「いいんです、あいつが悪い」 「でも私の所為で早阪君」 「勘違いをしたのも、早とちりをしたのも透です…沖田さんうちの馬鹿弟子がすみません、怪我は無いですか?」 「そんな事いいから早く行って上げて下さい!!」 「よくありません、弟子の不義は私の不義です」 「本庄さん!!!!違うでしょう?今の早阪君は弟子として貴女を助けたんじゃない女性として貴女の為にしたんです!!私だって分かるのに本庄さんが分からない訳無いでしょう!?」 「すみません…」 本庄さんは困った様な顔してからもう一度謝ると走りだした。
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