元冶元年【春之参】

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沖田さんは原田さんの正面に回ると師匠を抱えてかなり力を込めて原田さんの脛を蹴り飛ばした。 「いってぇ!!!!!」 「本庄さん頂きます!!」 ケラケラ笑いながら師匠を抱え直してご満悦の様子に俺の堪忍袋の緒が切れる… よりも先に、師匠が切れた。 「いい加減にしろ馬鹿共!!!」 沖田さんの右肩を強く弾くと膝を胸の辺りまで引き寄せ思いっきり沖田さんを蹴って宙返りをすると俺の目の前に静かに着地してしゃがんだ。 だが… 「透!!!!」 「な、何!?」 いきなり振り返り大声で俺を呼ぶ師匠。 え?なんで俺? 「むかつく」 「え?」 だから、なんで俺? 「沖田さんも藤堂さんも永倉さんも原田さんも野口殿も!!!ムカつく!!!!!」 いやいやいや、健司一番関係無いし。 ってかびっくりしすぎて御猪口落としたぞ今。 「来い!!!!!」 『はいぃぃ!!!』 鶴の一声は凄まじくでかかった… 大広間は完全に静まり返り皆黙って俺達を見ている マジで、なんで俺と健司まで… 「痛ぇなぁ」 「お前の所為だぞ馬鹿早阪」 「うるせっ」 師匠の後を着いて歩いていると健司に頭を小突かれた。 何もしていないのに着いてくる健司も健司で、やっぱり師匠の怖さを知っているらしかった。
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