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「ん~中黄、赤香、二藍、花緑青は?」
「可愛いね!!」
「嫌い?」
「緑とか好きだよ!!」
「良かった」
なんだこれ?
何か女が二人に見える。
沖田さんが着付けると藤堂さんはニコニコしながら自分の着物を眺めていた。
「おい、平助…お前、そんな趣味あったのか?」
「は?無いよ?」
永倉さんの何とも言い難い表情に藤堂さんはあっけらかんと言い返す。
「その割にお前随分ご機嫌じゃねぇか」
「え?だって本庄が俺の為に選んでくれたんでしょ?それは嬉しいじゃん?左之さん嬉しくないの?」
当たり前の顔で当たり前の様に言い放つ藤堂さんに俺達は皆、目が点になる。
藤堂さんはニコニコ笑ったまま立ってる師匠にもたれかかる。
「だって本庄から見たら俺ってこんな印象なんだって実感するじゃん?俺、本庄とあんまり喋らねぇからさ、どんな風に見られてんのか気になるけど、この色を選んでくれたのは満足だなぁ」
なんか、俺達の方が照れる。
永倉さんなんて罰の悪い顔で外方向いてるし…
「確かに平助の言う通りですよね!じゃぁ本庄さん、私にも選んで下さいな!!」
沖田さんは軽い足取りで師匠の隣に立った。
確かに恥ずかしいけど、藤堂さんの言い分はよく分かる。
俺は青、緑、紫、ピンクだ。
師匠から見た俺のイメージなんだろうな…
青とか緑は男っぽいけど紫は許せてもピンクって…
俺ってそんなに女々しいか?
女々しいな…
師匠がちょっとでも離れりゃすぐ凹むし、他の奴と居れば嫉妬する。
師匠は、俺の事をどう思ってんだろ…
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