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大きな腕に包まれて、嗅ぎ慣れた香りを纏うと眠っていても分かった。
透だ。
右腕を無意識に首に回して、その体温に触れる。
離れたくないよ。
声が聞こえる。
何?よく分からない…
眠いよ、透…どうしたの?
少し首を傾げると透の表情が変わった気がして…
柔らかくて、
暖かい…
え?………何?
酒が回り過ぎた頭じゃ理解は出来なくて、透を見つめた。
近付く透の顔。
薄く開いた唇。
見た事の無い表情…
目を眇めて啄む様に口付けるその表情に、
動かない左腕を掴む震える手に、
上唇を舐めたその舌に、
欲情した。
いつまでも子供だと思っていたのに…透はもう男になってたんだ。
首筋に食い込む歯に思わず声が漏れた。
「…透…」
耐えられずに名前を口にしたら全てを飲み込む様に透は唇を重ねた。
何度も何度も口付けをして透は私の肩に触れる。
こんな体でも、あの頃はまだ小さな透達をおぶっていられた…あっという間に私の身長なんて追い越してしまったけど…
スルリと手触りいいの着物上から胸を撫でられ無条件で体が跳ねた。
この体を誰かに触らせた事は只の一度だって無い。
透は私の胸に顔を乗せると呟いた。
「…嫌だ、聞こえない」
直接、胸に響いた声に酔いが覚め…
透は我を忘れた様に私の着物を剥いだ。
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