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「何だか、様子がおかしかったですね」
「そうだね、突然どうしたんだろうか?」
私と武田さんには首を傾げて考えたが分からなかった。
「にしても、鉄砲ですか…」
私は溜め息混じりに肩を落とした。
「厄介だねぇ…敵で無いのは土方君を見れば明らかなんだけど、如何せん鉄砲を所持する老人の知り合いが分からない…」
「私もです…」
途方に暮れるかと思われた話を突拍子も無く武田さんは打ち壊した。
「直接、土方君に聞けばいい」
「え?」
「さぁ、行こう!」
言うが早いか武田さんは既に立ち上がり部屋から片足を踏み出している。
「え?ちょっと!!!待って下さい!!!」
私はさっさと歩いて行く武田さんの後を小走りで追い掛ける。
やっぱ武田さんて変だ。
だって、こんな空気の中どうして笑っていられるんだ?
「なんだ」
「折角出向いたのになんだは無いじゃないですか」
「俺は来いなんて一言も言ってねぇぞ」
「君が言わないからわざわざ来てあげたんじゃないか、何か言う事無いのかい?」
「無ぇな」
「へぇ、そういう事を言うのかい?君の客人に対して二つの隊が動いたと言うのに?」
そろそろ本気で武田さんを黙らせようか…
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