平成十五年【夏】

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    「師匠!海行こう!!」 「俺泳ぎたい!!」 「魚捕まえようよ!!」 「僕も行きたいな…」 「なんで私が…おばさん達は?」 こんな暑いのに外なんて出たくないんだけどおばさん… 「母さん仕事だから師匠が居るならいいってさ!!」 四人は口を揃える。 逃げたなおばさん… 「師匠どうせ暇だろ!彼氏だっていないんだしさ!!」 「そうそう!一人で海岸なんて今時寂しいだけだよ!」 「俺たちと一緒に行こうぜ!」 「僕は師匠と一緒がいいな」 「よっぽど日向で正座の方が良かった様だな三馬鹿トリオ」 「なに、師匠図星?」 「マジかよ可哀想~」 「俺と付き合って!!」 「黙れクソガキ共!!」 こんな猛暑に怒鳴る自分が一番アホだとつくづく思う。 浜辺に着けば一目散で服を脱ぎながら海に飛び込む曲芸を見せてくれた。 私はため息を吐きながら四人分それぞれ畳んで傍に置いた。 よくもあんなにはしゃげるもんだ… 感嘆に値する跳ね飛び具合に開いた口が塞がらない。 確かに彼氏いない暦が年齢と同じなんて…虚しいけど 言われて見ればこそであって特に気にした事も無かった。 ぼんやり他の観光客を見れば家族連れも多いがカップルもちらほら見られる。 フッと視界が影を差し視線を戻すと透が立っていた。image=444894828.jpg
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