平成十五年【夏】

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    「どうした?」 なんだか透にしては珍しい気難しい顔をしている。 「師匠立って!」 「あ?…うん、何?」 立ち上がると透は私の肩位の身長で、透は私の肩を睨んでから座らせる様に私の肩を掴んで下に押した。 座った私は訳が分からないまま透を見上げる。 「何?どうしたの透?」 「師匠可愛いよ!師匠に告らねぇ男なんかただのヘタレか目が腐ってんだよ!!」 突然何を言い出すのか透を見上げたまま目が点になる。 「だから師匠!俺が今の師匠の年になっても彼氏がいなかったら俺の彼女になれよ!!俺、絶対師匠よりもでかくなって剣術だって免許皆伝して師匠の事守ってやるから!!」 「………」 全く以て予想外の初めての告白に但々私は透を見つめていた。 私は十六歳 透は十歳 私は身長170センチ 透は身長150センチ 「俺、師匠の事好きだよ!」 しゃがんでニカッと日焼けした無邪気な笑顔はやけにかっこよく見えた。 「は、ははっ…あははははっ!!六年後か…期待せずに待っとくよ」 私は照れ隠しの様に透の頭を撫でてやった。 「師匠と透何してんだよ!!」 「ウッセェ!!師匠に触んな幸人!!」 「ハァ!?師匠は俺んのだぞ!!透」 「お前こそ触んな慎一郎!!」 「僕だって!!」 「おぉ…やれやれガキ共」 父さん、母さん、爺ちゃん 私には突然六歳も年下の彼氏候補が四人も出来ました。 喜んでいいんですよね?image=444894635.jpg
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