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私の言葉に野口は凄い勢いで肩を掴んだ
「言うな!!絶対に他言などするな!!分かったな!!!!」
野口は顔面蒼白で額には冷や汗すら浮かんでいる
余程私と新見を会わせたく無いようだが、野口の立場上あるまじき事の様だ
「分かりましたから、野口殿少し落ち着いて下さいませ」
肩をこんなに力一杯掴まれら流石に腕が上がらない
かと言って蹴り飛ばすなんてできないし
「何故私が…正気の沙汰じゃない……そうだ酔っているのだ私は酔っているのだ……そうで無ければ、私が、私がこんな女を助けるなど…」
野口は一人ぶつぶつと下を向いて喋る
だが、今何て言った?
「野口殿、一体どういう事ですか?私を助ける?」
「そうだ!!だから!!もし、もし貴様の所為で私が死ぬなら貴様も殺して道連れにしてやる!!!!」
何でだよ…
「……全く話が分かりませんが、野口殿が私を助けて下さるなら私が野口殿を新見殿から御守りしましょう」
流石に恩を仇で返す訳にもいかないし、面倒くさい男だ
「……絶対だぞ!!絶対だからな!!私はこんな所で死にたくない…」
野口は酷く項垂れ私の膝に手を付いた
一体何なのか分からない何故野口が私を助けるのか?それに伴う死と言うハイリスクならハイリターンは?
「野口殿、死にたく無ければ私の事など構わなければよろしいかと?」
そうだ、最初から私などと関わらなければこんなに憔悴するまでにならなくて済むのに
「私だってそうしたい!!…だが分かっている!!頭の何処かで理解しているのだ!!貴様などにこの場所は相応しく無い!!」
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