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塩崎くんは皆が帰ってから帰るという噂。
噂っていっても、ファンの言うことだから確かだと思う。
塩崎くんは5組。
私達は1組で、塩崎くんとは階が違う。5組は一つ上の階にある。
「うわっ何あれっ!」
「どうし…」
階段を上がると女子女子女子。
女子が塩崎くん目当てに集まっていた。
「………。」
「………。」
私達はただ呆然として立つことしかできなかった。
「私帰るわ…」
「えっ、待ってよ和!」
階段を下りようとする私の腕を、萌はガシっと掴んだ。
「もーっ!あんなに人いるんだよ?私ヤだよ」
「そんなぁぁ」
萌はものすごく眉を下げて、肩を落とした。
ちょっと大袈裟じゃない?
「じゃーあね」
私の腕を掴んでいた手の力が緩んだから、その隙に階段を下りた。
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