~第二章・すれ違う想い~

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 僕には君の痛みがわかっ た。君は愛するが故に傷つ いていたんだね。誰も嫌い な人が何をしようと傷つき はしない。それに、物心つ いた時から親を嫌いな子供 はたぶんいないだろう。た とえひどい虐待をうけてい たとしても、子供はただ無 垢に親が好きなのだ。 僕にも経験があるからすぐ に感じとれた。だから僕は 自分の経験を話したんだ。 そして、 僕は絶望し続けてあきらめ てしまったけど、君はあき らめる事はないよ、ずっと お母さんが心配だったんだ ね、きっとお母さんも君の 優しさに気付いているから 甘えて、依存しちゃってる んだよ。ただもう我慢しな いで、対等の立場で君の方 から手を差し延べてあげれ ばいいよ。 そう言ってあげた。 君はうつむいて涙をすすっ ていたね。  僕らはあわてておどけて みせたね。二人して自虐的 なギャグを言っては、お互 いを中傷したり誉め合った り、君を笑わせようと必死 だった。  1つ君を知って、1つの 疑問も解けた。 君の恋愛の話だ。
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