~第一章・葛藤…そして出逢い~

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~2002年、夏~  僕は19歳だった。去年 高校を卒業し、元々折り合 いの悪かった両親とついに 袂を分かち、一年で大学を 辞め、宅配業者で働きなが ら、15歳の頃から一人で 暮らすアパートで生活して いた。 ~僕、プロローグ~  子供の頃から親や友達か らの裏切りや利用に合い、 愛された事のない人間だっ た。 だが不思議とひねくれず、 愛される為にあらゆる人を 愛し続けていた。 傷を持つが故に人を傷つけ まいと、決して誰も裏切ら ない様にしてきた。  しかしさすがに中学生の 頃はすさんでいた。 さわるモノみな傷つけてい た…なんてカッコイイもん じゃないが、 「誰も自分を理解してくれ  ない、自分はオカシイの  だろうか…」 と嘆き、自殺願望すらあっ た。 そんな頃、たまたま聞いた 詩(うた)があった。その人 は既に亡くなっていたが、 その人が書く詞、メロディ ー、歌声、表情、生き様、 その全てが自分と重なり、 「自分はオカシくない、一  人じゃないんだ」 と思え、救われた。 その後、高校生になってか らだが、自分も『人を救え る詩』を唄いたいと思う様 になった。
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