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2002年の夏はそんな頃だ
った。
その頃ちょうど一人の女
性と付き合っていた。12
も年上の人だった。
彼女には彼氏がいて、僕は
ただの浮気相手。ただお互
いにそれを望んでいた。
その未来(さき)に何もな
い恋愛ならば、期待せず、
不満も出て来ない。ただ一
緒にいるその時だけ楽しけ
ればよかった。彼女は僕を
子供扱いしなかったし、人
間として僕を尊敬すらして
くれていた。僕は何も感じ
てはいなかった。彼氏のい
る彼女の愛の言葉に安らぐ
事もなく、ただ流れるがま
ま、死んだ様に過ごしてい
た。
そう、君と出逢うまでの僕
はこんな風にすさんでいっ
ていたんだ。
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