~第一章・葛藤…そして出逢い~

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~2002年、秋~  波風たたない生活を送り ながら、友人達も悩みを自 分で解決する強さを身につ け、少しずつまた、自分だ けが取り残されていく孤独 感を感じていた。  ある日、仕事を終えアパ ートに帰ると、そこには親 友の一人が待っていた。 (当時、友人のうち二人が 合鍵を持っていたので、勝 手に上がりこんでいるのは 普通だった) 「ああ、おかえり!」 彼はそう声をかけ、読んで いた漫画を本棚へ戻し、い つもの様に食事をし、ゲー ムなんかをしながら、恋愛 の話をしたりしていた。  その日は彼にしては珍し く、自分の話ではなく後輩 の話をしてきた。 大学生の彼のバイト先の2 つ年下の女子高生の彼氏に 対する悩みだった。 「俺には何て言ってやっ  たらいいかわからなく  てさぁ、お前はどう思  う?」 自分の友人が人の為に真剣 に悩んでいるのが何だか嬉 しくて、僕も彼の為に真剣 に応えた。 彼は僕の言い分にひどく納 得し、後輩に伝えてやりた いと言った。 しかし、 「やっぱり俺の言葉じゃ  ないから、この感動は  伝えられないよ!今電  話するからお前話して  やってくんない?」 そう彼が言い、人の為にな るならと僕も承諾した。
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