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彼は電話をとり、しばら
くすると話しはじめた。
そしてすぐ僕に電話を差し
出した。
「もしもし?初めまして」
か細く繊細で、少し緊張し
ているのがよくわかり、女
の娘らしく少し着飾った声
がした。
恋に悩み、人と出逢い、本
気で笑って泣いて…、青春
の中に生きる18歳になっ
たばかりの女の娘の声。
すぐに僕は得意の自虐的な
ギャグを織り交ぜながら、
緊張をほぐそうとした。
そして、本題の悩み相談に
も冗談を言いながら、応え
ていた。
最後にはすっきりした様子
で
「ありがとう!よく考え
てみるよ!」
と笑っていた。
そして僕は友人に電話を返
した。
わずか20分程度の会話。
顔も知らず、名前すらにわ
かにしか認識していないの
に、僕はその恋愛の行方を
心配していたんだ。
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