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「クフフフ…綺麗な桜ですね。まるで雲雀クンのように…綺麗ですよ」
僕の彼氏は振り向きざまにそう言いながら微笑みかける。
「何それ、全然嬉しくないよ…大体僕が桜嫌いなの知ってて誘ったの?」
そう僕が言うと彼は寂しいような嬉しいような顔をして言った。
「そうでしたね…僕がそうしたんですよね。でも桜と言う花は雲雀クンに一番似てると思いますよ」
彼は可笑しな事を言う…
「なぜ?どこらへんが」
「それは、多分可愛いところですかねぇ。あと雲雀クンが甘えてくる時の頬の色にどことなく…「もういい」
顔が熱を帯び始める。彼の言う通りこの桜のように…
でも可愛いの前の「多分」は気に入らなかった。
そんな僕の心を読んだかのように彼は後ろからそっと僕を抱き寄せた。
「すみません…今の取り消しです、可愛いですよ恭弥。世界で一番君を愛してます」
「僕もだよ、骸」
そして僕らはそっと重ねるだけのキスを交わした…
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