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その瞬間、変な禿オヤジが席を横取りした。
「ごめんなさいね。せっかく譲ってくれたのに…」
おばあさんと男は、切ない顔をしていた。
こんな時に禿オヤジは新聞を読んでいる。
……はあ??ふざけるな。
私は速歩きをしてオヤジのほうへ向かう。
「そこの新聞読んでるオヤジ!」
車内がざわつこうが、写メを撮られようが関係ない。
「んああ?なんだいお嬢ちゃん」
禿はニヤニヤしている。キモチ悪。
「あんた、違くね?」
私はいつの間にかオヤジの髪の毛を引っ張っていた。
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