01:有名な彼女

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    「そこの新聞読んでるオヤジ!」 振り返ると、赤い髪のギャルがいかつい顔で横取り中年男に叫んでいた。 車内は一斉にざわつく。 あちらこちらでシャッター音も鳴っていた。 「んああ?なんだいお嬢ちゃん」 オヤジは新聞を読むのをやめると、女に笑いかける。 「あんた、違くね?」 女はオヤジが持っている新聞紙を奪い、2つに裂いた。 「早く立ちなさいよ」 女はオヤジの髪を掴んで、勢いよく引っ張る。 「いだだだだだだだ!!!」 オヤジは恥ずかしくなったのか禿散らかった髪を直しながら、別の車両へと移動した。  
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