晶とるうな。

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「あら、るうなちゃん料理上手ね」   「そうですか……ニヘヘ」     ……とりあえず、お袋と奏未に経緯を説明し、なんとか誤解をといた。   今は、るうながお袋と共に昼飯を作っている。     「しっかし、兄貴にあんな可愛い彼女が居たなんてね~」   「うるさい」     奏未はニヤニヤしながら、台所に立つるうなを眺めている。     どうもコイツの性格は、弥生と被る……歳も近いし。   いや、もしかしたら弥生よりタチ悪いか……。     「……そういえばさっき思い出したけど、あの子って兄貴と一緒のバンドやってる子だよね」   「そう。今までサポートとして入れてたけど、高校卒業を機に正式メンバーにした」     思い起こせば二年前。     俺と弥生が組んだ初めてのライブ……つまりテラ無限で、るうなにサポートを任せた以後、ずっと『バンドに入らせて!』とせがまれていた。   慣れないベースということもあっただろうが、そのライブの出来は正直言ってあまり良いものではなかった。   もちろん最初は断っていたが、高校生活の間にるうなの技術はメキメキと上達したので……今年四月から正規メンバーとなった。     「……つうか、高校の間に俺らに追いつく位のウデになったら、入れてやるって約束してたからな……」   「で、見事に追い越されちゃったんだ」   「バカ言え」
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