家庭教師

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その日の放課後から、美咲先生の家庭教師が始まった。明日は土曜日、学校も休みなので泊まりで教えてくれるらしい。 一晩中美咲といれる…でも、多分何も出来ないな、手を出せば半殺しだろう。一晩頑張れ、俺。 美咲には何度か勉強を教えてもらったことがあった。今回が初めてじゃない。美咲の教え方は本当にわかりやすい。相変わらず、わかりやすかった。 ただ、馬鹿な俺は授業を聞いていないので、美咲はゼロから教えなくてはならない。すぐに覚えられるけど、覚える量が膨大である。 俺は何度も疲れた、眠い、などと口にしていた。でも、美咲はそんなこと一言も言わなかった。 美咲の方が疲れているのに。美咲の方が眠いだろうに。 こう考えると、俺はやっぱり空気の読めない馬鹿だったんだわ。
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