家庭教師

3/4
前へ
/40ページ
次へ
七時頃に母親が、晩御飯を持ってきてくれた。美咲はありがとうございますと深く頭を下げていた。母親も、同じぐらい深く頭を下げていた。 九時頃に先に美咲がお風呂に入り、俺はシャワーだけだから二十分くらいで出てきた。 美咲のパジャマ姿は初めて見たけど、やっぱり可愛かった。萌えーって感じだな、うん。 今日の美咲は優しかった。というより、少しツンデレしてくれた。最近ツンツンばっかりだったし。 馬鹿な俺はここでようやく気がついた。今まで美咲がツンツンしていたのは、俺が勉強をしなかったからか!俺が頑張れば頑張るほど、美咲はツンデレに戻ってくれるんだわ! そう確信すると俺は、はりきって勉強した。美咲も満足してくれたみたいでよかった。 ―美咲の期待に応えたい。 この二週間、死ぬ気で勉強すると誓った。 深夜二時を回り、ようやく美咲の終了のお言葉をいただいた。二人で大きく伸びをした。 「裕哉頑張ったねえ、えらいね」 目尻を下げて、俺の方を見る。あーもう可愛いっ。頑張ってよかった。 「裕哉が頑張ったご褒美に、隣で寝てあげてもいいよ?」 出たっ、ツンデレラ。何日ぶりだろう…目頭が熱くなるわ… その晩、俺は美咲をギュッと抱きしめて、深い眠りについた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加