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七時頃に母親が、晩御飯を持ってきてくれた。美咲はありがとうございますと深く頭を下げていた。母親も、同じぐらい深く頭を下げていた。
九時頃に先に美咲がお風呂に入り、俺はシャワーだけだから二十分くらいで出てきた。
美咲のパジャマ姿は初めて見たけど、やっぱり可愛かった。萌えーって感じだな、うん。
今日の美咲は優しかった。というより、少しツンデレしてくれた。最近ツンツンばっかりだったし。
馬鹿な俺はここでようやく気がついた。今まで美咲がツンツンしていたのは、俺が勉強をしなかったからか!俺が頑張れば頑張るほど、美咲はツンデレに戻ってくれるんだわ!
そう確信すると俺は、はりきって勉強した。美咲も満足してくれたみたいでよかった。
―美咲の期待に応えたい。
この二週間、死ぬ気で勉強すると誓った。
深夜二時を回り、ようやく美咲の終了のお言葉をいただいた。二人で大きく伸びをした。
「裕哉頑張ったねえ、えらいね」
目尻を下げて、俺の方を見る。あーもう可愛いっ。頑張ってよかった。
「裕哉が頑張ったご褒美に、隣で寝てあげてもいいよ?」
出たっ、ツンデレラ。何日ぶりだろう…目頭が熱くなるわ…
その晩、俺は美咲をギュッと抱きしめて、深い眠りについた。
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