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「はーっ!終わった、やり抜いた!」
三教科分の模試を終え、俺は大きく伸びをした。一時期の開放感だった。
「裕哉くんお疲れー。頑張ってたね」
由美ちゃんは俺の斜め後ろに座っていた。
「ちょ、見られてたの!?恥ずかしー。俺、必死だったでしょ」
「何か見たことない速さで鉛筆が動いてたよ。美咲にも見せてあげたかったよ」
美咲は隣のクラスで模試を受けていた。美咲は俺たちと同じ三教科+地理だった。まだもう一時間模試を受けなければならない。
「俺、廊下で美咲待ってるけど由美ちゃんどうする?」
「あたしこれからバイトなの。わっ!もうこんな時間…ごめん、急ぐね!」
由美ちゃんは手を大きく振って、走り去って行った。
俺は廊下で一人、美咲のことを待っていた。
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