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一人
美咲に宣言したあの日から、俺はちゃんと約束を守っている。
学校にもちゃんと来て、サボらず一限から出席している。授業中も起きている。ノートもとっている。小テストでも平均点は取るようにした。
自宅学習も忘れなかった。南大学の赤本を買って、少しずつだが毎日解いた。
由美ちゃんは念願の北大学の推薦がもらえたらしく、少しだけ余裕が出来たらしい。
放課後は、由美ちゃんが勉強を教えてくれたり、敏志が教えてくれたり。
心強かった。
―でも、俺は、一人だった。
美咲と会えないわけではなかった。お弁当も相変わらず四人で食べていた。
だけど、慣れない勉強に俺は精神的に疲れていた。そんなのただの甘え。だから口には出さなかった。
何だか、心にぽっかり穴があいたような、そんな気持ち。
まあ、受験生って皆こんなもんだよな。俺は、俺たちは今、受験戦争の真っ只中にいるんだよな。
あと一週間後には夏休みが始まる。受験生にはないと言われている夏休み。
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