壊れた世界、壊された心

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「何にせよ、この俺様の異能には勝てねぇ。言ってみろ、てめぇらっ!この世で一番強いのは誰だァ!?」 『我らがボス、首領(ドン)・ガレオン様です!』 ボス――ガレオンの周囲に固まる、賊達が声を揃えて言った。総勢、100人はいるだろうか。ガレオンを中心に銃火器を持っていて、中にはナイフや長い鉄の棒などを持っているのもいる。――緋色の砂。通った後には血で緋色に染まった道が残ることから由来する集団だった。 「野郎共、小僧を血祭りにあげろォ!」 『おぉっす!』 統率された動き。ガレオンの周囲に数人だけ残り、他が全て歩いてくるナイトへ向かって走り出した。ある者は発砲をしながら、ある者は持っている武器を振り回しながら、丸腰のナイトへ向かっていく。 それを見て、ナイトは歩を止めた。シェルターからは、もう十分に離れている。ロングコートの裏に手を突っ込み、そこから通常よりも長い銃身のハンドガンを取り出す。弾を装填し、両手で銃を構えた。 「……悪は全て、僕が消す」 銃声が響き渡る。すると、向かってきていた賊の先頭の一人が眉間を撃ち抜かれて絶命しながら倒れた。それに躓き、だまになったところへナイトが開いた手を向けると、まとめてそこに固まっていた賊が胴体から真っ二つになる。
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