邪教

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嫌韓の人、かなりぼかして書いたつもりだけれど、思い当たった某宗教団体関係者の方は読み飛ばして下さい。 ある日、俺は在日朝鮮人の友人Pに呼ばれて郷里に戻った。 Pはガキの時分からの悪友で、一緒に悪さをして回った仲だ。 地元では一番仲の良い友人だったが、Pとはある事件以来、距離を置いていた。 P絡みで俺は酷い『祟り』に遭い、韓国人の『祟られ屋』の元に半年も身を置く羽目になったからだ。 そして、その時から俺の人生は狂ったのだ。 表向きの用件は前年に胃癌で亡くなったPの親父さんの法事のような儀式だった。 Pの親父さんは俺のオヤジの友人でもあり、俺はオヤジの名代として顔を出した。 儀式の詳細はわからないが、テーブル一杯にたくさんの料理が並べられており、家督を受け継いだ儀式の主催者であるPが、その料理を一箸づつ先祖に捧げるといったものらしい。 夜、方々から客が集まり、その料理を肴に酒宴が開かれた。 『祟られ屋』の元に行って以来、俺もPも酒も煙草も飲まなくなっていたので宴会の時間は長く感じられた。 そろそろ日付も変わるかという時間になって宴会はお開きになった。 客が帰ると広いPの家はしんと静まり返った。 両親が亡くなりマンションを引き払ったPはこの家に一人暮らしだ。 片付けは明日で良いと言ってお手伝いさんも帰してしまっていた。 俺とPは無言のままリビングのソファーに向かい合って座っていた。
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