立場

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あれは今でも鮮明に覚えています。 ある日私は、お庭の掃除を言いつかっていました。 この日は少し肌寒くて、風が強い日でした。 そのことが影響していたのか、宮殿の広いお庭には沢山の落ち葉で埋め尽くされていました。 そんなことはものともせず、私は一人で必死に掃除しました。 何故ならこの仕事を午前中までに、と言われていたのです。 休む暇もありませんでした。 早起きしたかいもあって、落ち葉はすっかりなくなっていました。 私はホッと胸を撫で下ろし、落ち葉の入った大きな袋を持ち上げました。 そうして焼却炉まで飛んで行こうと飛び上がった瞬間、何者かに服を引っ張られました。 私は小さな悲鳴を上げて尻餅をついてしまいました。 見上げた先には……。 孔雀のお姉様方がいました。 この方達は宮殿のお役人様の娘で、いつも綺麗な恰好をしています。 そして私のみすぼらしい姿を見ては笑います。 意地の悪い、嫌がらせもよくされます。 今回もその嫌がらせを受けたようでした。
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