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茶色で先端が白く、大きくてたくましい翼。
髪の色も翼と同様に茶色。
鼻筋も高く、二重の大きな瞳……。
全てが完璧で美しく、私とは似ても似つかない。
とても遠い存在。
鷲(ワシ)と雀。
更にこの世界では貴方様は王家の者で、私は召使いの中でも下級の者。
あまりにも違い過ぎます。
「何かあったのですか?」
そんな貴方様は再度私に話しかけて下さいました。
私は驚いて涙を流すのも忘れ、ただ目を見開くばかり。
「あ、泣きやみましたね。」
貴方様はうっすらと微笑をたたえると、私の方に手を伸ばしました。
尚も驚き身を固める私。
「そんな怖がらないで。」
貴方様は私の右頬に手を添えると、指で涙を拭き取りました。
「その…大変でしたら私も手伝いますよ?」
優しい眼差しを向けて、私から箒(ホウキ)を受け取ろうとなさいます。
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