美女と野獣?

11/11
前へ
/11ページ
次へ
ベリアル、と呼ばれる彼を見て猛は驚いた。 (…めちゃくちゃクールじゃん。) 赤みがかった髪、長い身長、テレビで見た人気イケメン俳優M・Hに顔が似ていた。 『初めまして、マスター。私、ベリアルと申します。』 「え、俺!?どうも、この度は…」 「一体どの度よ!てゆうかあいつ起きちゃうわよ!」 猛達は狼の方を見た。 狼はふらふらしていたが今にも起き上がりそうだった。 「仕方ないわ!あなたがあいつを倒すしかもう方法は無い。」 「俺がかよ!!死んじまうよ!」 「だって私…もう身体動かない…。」 力を使いすぎ、使い物にならなくなった自分の身体をみて彼女は言った。 「お前…。」 猛が彼女を励まそうとした時、彼女は何か決心したかのように猛を見つめて言った。 「死にたくなかったら勝ちなさい!!……悪魔に魂売ってでもね。」 「悪魔に魂を売る?」 「そうよ、この化け物に身を捧げるのよ。」 『化け物とは失礼ですね、一応立派な天使ですよ。』 「元、でしょ。堕天使さん。」 その時狼が完全に復活した。 「やべ!!…とにかく、これしか生きる道はねぇんだな!」 「そうよ、早くしなさい!また敵が動き出す…」 「わかってるさ!」 狼は遠吠えを上げると、さっきまでの倍のスピードで襲い掛かって来た。 「速い!!間に合わな…」 その瞬間… 狼の左前脚は吹き飛んだ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加