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ベリアル、と呼ばれる彼を見て猛は驚いた。
(…めちゃくちゃクールじゃん。)
赤みがかった髪、長い身長、テレビで見た人気イケメン俳優M・Hに顔が似ていた。
『初めまして、マスター。私、ベリアルと申します。』
「え、俺!?どうも、この度は…」
「一体どの度よ!てゆうかあいつ起きちゃうわよ!」
猛達は狼の方を見た。
狼はふらふらしていたが今にも起き上がりそうだった。
「仕方ないわ!あなたがあいつを倒すしかもう方法は無い。」
「俺がかよ!!死んじまうよ!」
「だって私…もう身体動かない…。」
力を使いすぎ、使い物にならなくなった自分の身体をみて彼女は言った。
「お前…。」
猛が彼女を励まそうとした時、彼女は何か決心したかのように猛を見つめて言った。
「死にたくなかったら勝ちなさい!!……悪魔に魂売ってでもね。」
「悪魔に魂を売る?」
「そうよ、この化け物に身を捧げるのよ。」
『化け物とは失礼ですね、一応立派な天使ですよ。』
「元、でしょ。堕天使さん。」
その時狼が完全に復活した。
「やべ!!…とにかく、これしか生きる道はねぇんだな!」
「そうよ、早くしなさい!また敵が動き出す…」
「わかってるさ!」
狼は遠吠えを上げると、さっきまでの倍のスピードで襲い掛かって来た。
「速い!!間に合わな…」
その瞬間…
狼の左前脚は吹き飛んだ。
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