変化

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 弟の部屋は家の離れにある。  離れと言っても小さくは無い。むしろ一軒家を一回り小さくした感じだから、もしかしたらかなり大きいのかもしれない。 「嵐ー、入るぞー」 「……いいよ」  少し間があって中から返事がきた。  障子を滑らせ、中に入る。 「ただいま。嵐」 「おかえり。凪」  笑いかければ、ニッコリ笑い返してくれる。  これが、二人の間で決めた挨拶だった。
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