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全てを話すというのは、正直辛い。
話すたびに苦しさとか、辛さとか、なんだか嫌なものが込み上げてきて、また泣きたくなった。
けれど、代わりに心の中のドロドロしたものが、少しずつ消えていくのも感じた。
俺が話し終える頃には、委員長から貰った緑茶は、すっかり熱を失くしていた。
胸の不快感は、先程より小さくなっていたが。
涙を拭うと、視界が明るくなったような気がする。
二、三回目を瞬かせると、はっきり見えるようになった。
初めに見えたのは、何とも言えない顔で俺の顔を見ている委員長だった。
「……委員長?」
「……すみません。なんでもないです」
そうは言っても、委員長の顔は、何かを言いたいように見える。
俺が首を傾げていると、委員長は大きく咳払いした。
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