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委員長は湯呑みを片づけると言って、台所へ向かった。
俺は先に寝床へ行こうと一歩踏み出す。
もう不快感に支配されることなく、寝床へとたどり着くことができた。
俺の布団は嵐と水越に挟まれるように敷いてあり、二人とも俺の布団を背にして眠っていた。
明日も早くから仕事が入っている為、俺はさっさと布団に入る。
出来るなら、今日のうちに嵐と話したいと思っていたが、起こすのも可哀想なのでそのまま眠りにつこうとした。
その時だった。
「遅かったね」
聞こえてきた声に、俺はビクリと肩を震わす。
思わず相手の名前を叫びかけ、慌てて口を塞いだ。
寝ていると思ったのに、何故起きているのかと思ったぐらいだ。
「……なんで起きてるの?」
「なんか寝れなくて。凪が全然来ないから、ちょっと心配してた」
心配してくれてた。その事が嬉しかった。
その後は会話が続かない。
言いたいことは沢山あるのに、声が出なかった。
「……ごめん」
先に謝ってきたのは嵐の方だった。
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