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「……そ、そろそろ離れよっか」
自分から抱きついたくせに、気恥ずかしくなったのか、嵐が離れていく。
それがなんとなく嫌で、知らず知らずのうちに嵐の服を掴んでいた。
「凪……?」
「いい。このままがいい……」
我ながら子供みたいなことを言ってると思った。けど、一度言った言葉は取り消せない。
嵐に呆れられたかな。
嵐はしばらく考えてから、苦しくないように抱きなおしてくれた。
嵐から聞こえてくる鼓動。その音が心地よくて、安心できて。
「おやすみ、凪」
遠くで嵐の呟きを聞きながら、ゆっくりと夢の中におちていった。
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