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俺は弟のそばに座る。
弟は急いで身体を起こした。
「おい。無理しなくていいぞ」
「だって、早く凪の話が聞きたいんだ。今日はどんなことがあったの?」
無邪気にそう言われると、こっちも注意しづらい。
俺はそれ以上言わないことにした。
弟の嵐は昔から身体が弱く、学校に行くのは年に一、二度ほどだ。嵐と遊んだことも片手の指の数しか無い。
だからだろうか?
嵐は肌が白くて、色素が薄い。髪は病気の影響で白くなってしまい、細い身体は今にも折れそうだ。
中性的だが、どちらかと言えば男寄りの整った顔立ちに、俺はたまに羨ましさを感じる。
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