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俺がお盆を置くと、皆勉強を中断させて群がる。
うん。集まるより群がるの方が合ってると思う。
「……すごいね」
「どんだけ腹減ってんだこいつら」
水越が呆れながらも死守した寒天を持っていた。
「……なんで寒天なんですか?」
「えっと、最初はおにぎりにしようかと思ったけど、暑いし、お昼前だったからさ。お昼まで我慢してもらうにはこれがいいかなって。ちょうど台所で寒天とオレンジジュース発見したし」
雅彦さんにはちゃんと許可をもらっているし、皆を見れば満足しているみたいだ。
「……んじゃ食い終わったやつから腹筋50回な」
「はあ?!」
「何故に?!」
「テメ―らが勝手に止めたからだろ」
水越の容赦ない一言に、皆は泣く泣く戻っていった。
さすがにそれは無いんじゃないか?
「水越、少しは加減してあげてよ」
「……凪はこいつらに甘いんだよ」
「でも、これは仕方ないじゃん。皆お腹空いてたんだから」
「甘い!」
水越がなんか不機嫌だ。
そりゃあ勉強の邪魔したのは俺だし、悪かったとは思うけど。
「そんなに怒んなくたっていいじゃん!!」
「怒ってねぇよ!」
「怒ってる!!」
売り言葉に買い言葉で、とうとう喧嘩腰になってしまった俺達。
委員長や嵐は困ったような顔をしているのが見えたが、もう知ったこっちゃない。
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