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「凪には分かんねえよ!なんで怒ってるかとかは」
「分かんない。分かりたくもない」
ここまで来たら俺も引き下がれない。寒天の器を片づけると、さっさと部屋を出た。
「あ、凪!」
嵐が追ってきたが、俺は無視して台所に向かった。
◇ ◇ ◇
「凪、ちょっと落ち着きなよ」
「落ち着いてる」
「全然落ち着いてないから!機嫌悪いでしょ」
「……」
俺は洗い物をする手を止めて、嵐と向き合う。嵐はちょっとほっとした顔をしていた。
「言いたいことは?」
「俺は悪くない」
俺の言葉を聞いた嵐は、苦笑いで返した。
「そうだね。あれはどっちかっていうと水越が悪い気が……」
「……」
俺が黙ったのを見て嵐はため息をついた。
「ま、凪も言い過ぎたね。俺もなんとなく、水越が怒った理由分かるし」
「そうなの?」
俺が反応すると、嵐は大きく頷いた。
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