876人が本棚に入れています
本棚に追加
◇ ◇ ◇
くそっ、まさか俺まで落ちるとは……。
凪が落ちていくのが見えたから、喧嘩した事を忘れて手を伸ばした。
しかし、結果はこの有様。
いったいどのくらい下に落ちたのか。
起き上がってみると、目の前にはひしゃげた眼鏡。
落ちた時に壊れたようだ。
俺の眼鏡にはそんなに度が入っていないから、それほど困る事はないが……。
懐中電灯はどこかにいってしまい、暗闇に目を慣れさせる必要があった。
「うっ……」
「!凪か?!」
小さかったが確かに聞こえた。凪の声だ。
まだ目が慣れていないので、手探りで凪を探す。
凪の手に触れた時、少し安心した。
最初のコメントを投稿しよう!