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雅彦さんはお茶を啜りながら話してくれた。
「最初は入学式の日だったか。いきなりメールで美人さんがいます!!ってきて、何しに行ったんだとツッコミたくなった」
「あ、ははっ……」
「その後も一緒のクラスになれました。とか、髪の毛がサラサラさんです。とか、頭良いです。とか……。しつこいから一度怒鳴りに行った」
「うえぇ!?」
まさか雅彦さんが学校に来ていたとは思わなかった。
来たら来たで目立ちそうなんだけどな……。
「んで、寮の前で君彦を怒鳴って、遠目からお前が見えたぞ」
そして発見されていたとは。
雅彦さんは伊達丸の頭を撫でまわしながら続けた。
「お前発見した時な、君彦が頼んでもないのに説明してくれて。……すごく安心した」
「?安心、ですか」
「ああ。君彦はさ、欲が無いから。友達が欲しいと思ってるくせに、いらなくても困らない。なんてふざけたことを言うからな。で、初めてお前に興味を持った。俺はそれが嬉しいんだ」
まるで自分の事のように、嬉しそうな顔をする雅彦さんは、やっぱりいい人なのだと再確認できた。
「まあ、なんだ。……君彦は任せた」
「はい。任されました」
雅彦さんに言われなくとも、友達になる気はあった。むしろ、俺の方が委員長と仲良くなりたかったんじゃないかと思う。それくらい清々しい気持ちだった。
と、そこへ今までの話題人だった委員長がやってきた。
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