876人が本棚に入れています
本棚に追加
「兄さん、掃除終わった……って、ずるいです!二人してお茶してるなんて」
「お、御苦労。別にいいだろお茶ぐらい」
「よくないです」
委員長の頭を乱暴に撫でながら雅彦さんが笑う。委員長は痛がりながらも、その行為は嫌では無いらしい。どこかまんざらでもない顔をしていた。
「……ほんと、仲良いですね」
俺は小声で呟いた。
「何言ってるんです。浅羽君達も仲が良いじゃないですか」
聞こえていたのか、委員長が反論した。
「いや、でも……。本気で喧嘩したことないし」
「何?凪は俺と喧嘩したいの?」
「嵐!?」
正直ビビった。気配を消して後ろに立っているんだもん。心臓に悪い。
「凪のこと迎えにきてあげたのに、凪は喧嘩したいのか。……俺のこと、嫌いになった?」
「ち、違う!!そうじゃなくて……」
こういう時に言葉が出てこない。伝えたいことも伝えられない。そんな自分が本当に嫌だ。
「……冗談だよ。ごめん、少し虐めすぎたね」
嵐が俺の頭にそっと手を置く。これじゃあ、どっちが兄貴か分からないよな……。
「おい。そこのブラコン二組。そこでサボってないで仕事しろ」
水越が呆れながら呟く。俺は少しムッとして反論した。
「「「「俺は(僕は)ブラコンじゃない!!」」」」
あ、はもった。
最初のコメントを投稿しよう!