暗闇

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「兄さん、掃除終わった……って、ずるいです!二人してお茶してるなんて」 「お、御苦労。別にいいだろお茶ぐらい」 「よくないです」  委員長の頭を乱暴に撫でながら雅彦さんが笑う。委員長は痛がりながらも、その行為は嫌では無いらしい。どこかまんざらでもない顔をしていた。 「……ほんと、仲良いですね」  俺は小声で呟いた。 「何言ってるんです。浅羽君達も仲が良いじゃないですか」  聞こえていたのか、委員長が反論した。 「いや、でも……。本気で喧嘩したことないし」 「何?凪は俺と喧嘩したいの?」 「嵐!?」  正直ビビった。気配を消して後ろに立っているんだもん。心臓に悪い。 「凪のこと迎えにきてあげたのに、凪は喧嘩したいのか。……俺のこと、嫌いになった?」 「ち、違う!!そうじゃなくて……」  こういう時に言葉が出てこない。伝えたいことも伝えられない。そんな自分が本当に嫌だ。 「……冗談だよ。ごめん、少し虐めすぎたね」  嵐が俺の頭にそっと手を置く。これじゃあ、どっちが兄貴か分からないよな……。 「おい。そこのブラコン二組。そこでサボってないで仕事しろ」  水越が呆れながら呟く。俺は少しムッとして反論した。 「「「「俺は(僕は)ブラコンじゃない!!」」」」  あ、はもった。
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