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掃除が終わり、荷物をまとめて寺の前に集まる。三日前はすごく不安だったけど、今は終わってしまうのが残念だ。
解散しているので、皆個人で帰る。一人、また一人と帰っていき、最後は俺達になった。
「お世話になりました」
「おう。いつでも遊びに来いよ。茶菓子くらいは出すぞ」
「雅彦さんも、遊びに来て下さいね」
足が痛いので、水越におんぶされる状態で挨拶をする。石段の下では、水越の家の人たちが待機しているらしい。絶対お金の使い方を間違ってると思う。
「浅羽君、足お大事に」
「ありがと、委員長。委員長も遊びに来てよ」
「……良いんですか?楽しみにしておきますね」
嬉しそうに笑う委員長を見て、俺も嬉しくなった。嵐は何も言わなかったけど、ちらっと顔を見たら嫌な顔はしていなかったから、良いんだろう。水越は呆れてたけど……。
石段を下りながら後ろを見ると、委員長がぶんぶんという音が聞こえてきそうなくらい手を振っていた。
「ほんと、凪の周りって個性的な奴集まるよな」
「でも、その法則でいうと水越も変な奴ってことだよ」
「うっせ」
「……そんなことないと思うんだけどな」
こんな会話をしながら石段を下りる。委員長が来たら何か作ろう。それで、皆でどこかへ遊びに行こう。
始まったばかりの夏休みを計画しながら、俺たちは帰路についた。
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