変化

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 時が止まったような感覚を俺は感じた。  外から聞こえるはずの蝉時雨も聞こえず、薄暗い部屋の中には俺と嵐しかいなくて…………。  気づいた時には、嵐の顔は俺から離れ、俺を見て笑っていて。  やっと追いついた思考は、目の前の状況をすぐに教えてくれた。 「な……な……」  うまく呂律がまわらない。嵐はそれを見て、クスッと笑った。 「驚いた?凪……」  驚いたも何も。  今も唇に残る嵐の体温。柔らかい感触。  思い出しただけで顔が火照った。
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