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凪はまだ夏合宿の時の捻挫が治っていない。変に捻っていたらしく、ドクターストップがかかっていると聞いた。嵐はもしかしなくてもパス。
「……凪がいないと暇なんだ」
「あー……。凪ちゃんぐらいだもんね。水越と本気で打ち合いして負けないの」
ほんとに、あの細っこい身体のどこにそんな力があるかって聞きたいくらいだ。
剣道はそれほど力を入れて打ち合うものじゃないが、半端な力で竹刀を持とうものなら弾かれる。力加減が難しい。
「なんでかなぁ。あいつに勝てねえの」
「凪ちゃん、水越より剣道歴長くないのにね」
ほんとに比泉は一言多い。ああ、なんかみっちゃんが怖い、ずっとこっち睨んでるんですけど。なんか青筋浮かんでるんですけど!
「てめえら、やる気ないなら帰れ!!」
「やだなぁ、みっちゃん。ちょっと休憩してただけだって」
「ちょっとじゃねえし。あとみっちゃんて呼ぶな」
「みっちゃーん、暇なんで帰っていいすかー?」
「帰るな馬鹿!!」
「あ、水越携帯鳴ってるよ」
「あ、マジだ」
「……俺が帰っていいか?」
「「それは駄目だ」」
「なんでそこだけはもるんだよ!!」
みっちゃん虐めるのが楽しいからだと言ったら怒られそうだから止めた。
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