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「おーはーよーっ!朝から暑いねー。いや、お熱いねー。妬けちゃうねー」
「……悪い。朝から五月蠅い奴の事は気にしないでくれ。というか居ないものだと思え」
そう言いながらやってきたのは比泉と鳴海の二人だ。この暑さなのに異様なテンションと鳴海への抱きつき行為で、水越のイライラはピークになりそうだったが……。
「ひっどーい!俺が今日まで徹夜でどれだけ頑張って新刊本作成したと思ってるんだよ!!」
そう言いながら鳴海のほっぺをしつこい位突く比泉。そして、若干諦めたような悟っているような表情でため息をつく鳴海。
なんでか、今日のお弁当のおかず、三つくらい鳴海にあげようと思えた。
「あ」
突然、嵐が間抜けな声をあげた。その後遠くの方から聞こえてきた、授業開始のチャイム。
「!いけねっ、俺今日日直だ」
「あ、俺も俺も!」
慌てる水越と、ちっとも慌てる素振りを見せない比泉。
対照的な反応の二人を引き連れ、俺たちは学校まで全力で走った。
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