変化

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 嵐は冗談や嘘を俺に言ったことが無い。今も目が真剣だ。 つまり、嵐は本気だってことだ。 「っ……俺……俺……」  どうしよう。言葉が繋がらない。繋げようにも、答えがわからない。  どう答えれば嵐が納得する?どう答えれば嵐を納得させられる?  いや、そもそも俺は嵐になんて答えたいんだろう。  頭の中ぐちゃぐちゃで、正しい答えが見つかりそうになかった。  本気で告白されるのもキスされるのも初めての俺は、どうしようもなかった。 「っ!!」  その場から逃げるしか、俺にはできなかった。俺は……逃げたんだ。  自分の部屋に戻った俺は、襖を閉めるとその場に座り込んだ。  腰が抜けてたのに、無理矢理走ったから、力が入る気がしない。  息が乱れて、動悸も止まらない。苦しくて涙がボロボロ出てきた。  嵐から逃げた罪悪感と自分でもわからない感情の渦に巻き込まれ、俺はそこで一晩泣き続けていた。
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