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夏休みが終わり、テストが終わるとやってくるのは学園祭。
「と、言う事で。今年も工皇祭の季節がやってきました。そこで、今年うちのクラスは何をしましょうか?」
委員長が司会で始まった話し合い。皆ここぞとばかりに意見を出していた。
工皇祭というのはうちの学校、工皇学園の学園祭の事なのだが、これが結構大規模な学園祭である。
工皇学園は、高等部と短期大学部があり、工皇という名の通り工業系の学校である。
工業系と言う事もあり、ロボットを使った企画や、電気を使った大掛かりな企画も出来る。といっても、これは主に大学部の先輩がやるわけで、高等部はもっぱら喫茶店や出店などが担当だった。
「おい。凪は何がいいんだ?」
「俺?うーん、秋だけど暑いし、なにか涼しげなものを出せればいいんじゃない?」
あくまで一つの案として適当に言ったのに、それを委員長が聞き逃さなかった。
「いいですね。では、”涼しげなものが出る店”っと」
「お、いいなそれ」
「かき氷とか出せばいいんじゃない?」
「浅羽が案を出したんだし、和風な感じでどうよ」
「いい、いい。和風カフェってことにしようよ」
「茶店だと、茶道部にかぶるしな」
といった感じで、あれよあれよという間に、俺たちのクラスは「和風カフェ・秋風」をやることに決まってしまった。
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